CL決勝:二つの出来事

これだからfootballは怖い。
転機は二つあったと思う。一つは前半のミランの三点目。見ている人も思ったように、「これで相手の気持ちは切れた」とミランの選手たちは思ったはず。だけど気持ちが切れていたのは実は自分たちだった。それに選手と監督が気づくのは3-3の同点になった時。しかし時すでに遅く、もう思うように体は動かない。その後の引き分けPK狙いのリバプールのワナにきっちりはめられた。

二つ目はハマンを投入したベニテス監督の判断。ハマンは偉大なる普通のバランサーだ。試合中も実に目立たないが、前回のW杯でドイツが決勝までこれたのはこの選手の力が大きかったと思う。とにかくパスというパスはハマンを経由していた記憶がある。裏を狙うわけでもなく、大きなサイドチェンジをするでもない普通のパスを1,2タッチで出すだけ。ポイントはパスミスがほとんどないこと。これによって攻守のバランスを調節するのが実に上手いのだろう。はたから見てると普通の選手なのだが、それによってW杯ではバラックを活かし、今回はジェラードを活かした。一緒にプレイして初めて分かるバランサーの凄みがハマンにはある。