ぬめっとしたモノ
いつものようにマンションの裏の駐輪場に向かうとなんか白いものが駐輪場の屋根に落ちている。なんだろう。大きさからして靴下かなと思いつつだんだんと近づいていくと「なんかぬめっとしている」ことに気づく。ぬめってる→靴下じゃない 俺のコンピューターがそうはじき出す。なんだろう。もっと近づくともっとぬめってることに気づく。
もっとぬめってる→食べ物ではなかろうか? え、ぬめってるから食べ物ってなにさ。自分で言っといてなんだけど。
よし、下から見てみよう。
あれっ! いか?
予想外のものにちょっと戸惑うオレのコンピューター。でもたぶんイカだ。アオリイカっぽいようなスルメをむいた奴のような。とにかく下から火であぶって醤油をたらして食いたくなるようなイカだ。屋根燃えちゃうけど。
さて、考えよう。なんでイカが我が駐輪場の屋根にあるのか。そんでなんで昼に見たのに夜中まであるのか。イカに失礼じゃないか!!
妄想もやもやーん
「ただいまー、いやぁ今日は大漁だったよー。束だよ束。」
「おかえりなさーい、まぁそんなこといっちゃってまた角の魚辰さんでかってきたんじゃないの?」
「バカいうなよ、正真正銘の上げたての江戸前のイカさ!!」
「どれどれ、アラっほんと輝きが違うわね。よーしそれじゃあ腕をふるっちゃおうかな」
「よ、さすがカリスマ主婦!!期待してるよ!!」
「うふふ、ちょっとまっててね。とりあえず上着を洗っちゃうから脱いで脱いで」
渡す夫。ぽろりと落ちる名刺
「アラ・・・この名刺って何かしら・・・」
「と、取引先の部長の名刺かな」
「へー最近の取引先の部長さんはアケミさんなんてお名前なのねぇ。へぇ」
「い、いや昨日課長に無理やり誘われてさ・・・」
「無理やりねぇ。仕事終わればそんな楽しいところ行って、しかも休みは朝から釣り。なによ!!!!!!キーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「ご、ごめん・・・イテテテ。な、投げるな投げるな!!おれのイカーーーー」
もやもやーん妄想終わり。
ねーなこんなこと。そんな勢いよくなげねぇよイカ。
どっちにしろイカはまだある。たぶん明日もある。そんなマンションに住んでいる